次世代の健康
はじめに
生涯を通じて健やかで心豊かに生活するためには、妊娠中や子どもの頃からの健康としての「次世代の健康」が重要となります。
妊娠前・妊娠期の心身の健康づくりを行うとともに、子どもの健やかな発育とより良い生活習慣を形成することで、成人期、高齢期等の生涯を通じた健康づくりを推進していくことができます。
子どもの健やかな発育や生活習慣の形成
1.乳幼児健康診査を受けましょう
乳幼児健康診査は、お子さんが健康で順調に育っているかを確認し、成長や発達に関わる病気などを早く見つけるためにもとても重要なものです。また、日頃不安に感じていることなどを相談できる機会でもあり、それぞれのお子さんに合った子育てのアドバイス等を聞くことができます。乳幼児健康診査は、お住まいの市町で実施していますので、健診の案内が届いたら必ず受けるようにしましょう。
健診内容
- 身体発育状況
- 栄養状態
- 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
- 皮膚の疾病の有無
- 眼の疾病及び異常の有無 (3歳児のみ)
- 耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無(3歳児のみ)
- 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
- 四肢運動障害の有無
- 精神発達の状況
- 言語障害の有無
- 予防接種の実施状況
- 育児上問題となる事項
- その他の疾病及び異常の有無
2.予防接種を受けましょう
予防接種は、感染症に対する免疫をつけるもので、感染症から子どもの命を守るために非常に効果の高い手段の一つです。自分の子ども、そして周りの子ども達の健康を守るためにも、きちんと受けましょう。
3.生活習慣の形成は幼少期から
子どもたちが健やかに成長していくためには、適切な運動や調和のとれた食事、十分な休養・睡眠が大切です。全ての教育の出発点である家庭での家族のふれあいは、子どもが様々な生活習慣を形成する上で重要な役割を担っています。
- 乳幼児期乳幼児期は、基本的な生活習慣の形成の時期であり、食事・あそび・睡眠のリズムを整えていくことが大切です。
- ゆったりとした気分で子どもと過ごしましょう
- 1日3回決まった時間に主食・主菜・副菜のそろった食事を食べましょう
- 親子で体を動かして外あそびをしましょう
- 規則正しい生活を心がけ、早寝早起きをしましょう
- 家の中で事故が起こらないような工夫をしましょう
- 胎児や乳幼児へのたばこによる影響を正しく知りましょう
- 幼児は正しい歯みがき習慣をつけましょう
- 学童期学童期は、基本的な生活習慣の形成および完成の時期であるため、子ども自身が食事・運動・睡眠の望ましい生活習慣を身につけていくことが大切です。
- 栄養バランスのとれた食事をとりましょう
- 毎日朝食をしっかりとりましょう
- 家族一緒に楽しく食事する機会を積極的にもちましょう
- 早寝早起きの習慣をつけましょう
- 体操や散歩など毎日規則的に運動しましょう
- 外遊びで思いっきり体を動かしましょう
- 日常生活の中で、できる限り体を動かすようにしましょう
- きちんとした姿勢で過ごしましょう
すこやかな妊娠と出産のために
1.妊婦健康診査を受けましょう
妊娠中は、ふだんより一層健康に気を付けなければいけません。少なくとも毎月1回(妊娠(第7か月)以降には2回以上、さらに妊娠(第10月)以降は毎週1回)、医療機関などで健康診査を受けましょう。妊婦健康診査を受けることで、病気などに早く気づき、早く対応することができます。
健診費用には、公費による補助制度がありますので、妊娠に気づいたら、お住まいの市町へできるだけ早く「妊娠届」を出しましょう。
2.低出生体重児出生について
生まれた時の体重が2,500g未満の赤ちゃんのことを低出生体重児といいます。
低出生体重児として生まれてくる理由は、胎児自身の異常の他、早産や多胎妊娠、妊婦の低栄養状態(やせ)、喫煙や飲酒等が考えられ、低出生体重児として生まれると、成人後に糖尿病や高血圧等の生活習慣病を発症しやすくなります。そのため、妊娠期また妊娠前から低出生体重児出産のリスクを防ぐ生活習慣をもつことが重要です。妊娠期また妊娠前から適正な食事量と栄養のバランスを確保しましょう。
3.妊娠中と産後の食事について
お母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のために、食事はとても大切です。1日3食とること、特定の料理や食品に偏らないバランスのとれた食事をとることが基本です。特に妊娠中期から授乳期は、普段より副菜、主菜、果物などを多くとるなどして、必要なエネルギーや栄養素をしっかりとりましょう。
4.妊娠中の葉酸摂取について
二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発生を減らすためには、妊娠前から妊娠初期の葉酸の摂取が重要であることが知られています。
葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜や、いちご、納豆など、身近な食品に多く含まれています。日頃からこうした食品を多くとるように心がけましょう。葉酸の添加された食品やサプリメントもありますが、とりすぎには注意が必要です。
※神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部位がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足の他、遺伝などを含めた多くの要因が複合して発症するものです。